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2004年09月12日

肯定側立論 [The Affirmative Case]

どうして肯定側はcoolなのか

* あなたの領域

あなたには、自分が何について議論をしたいのか、何をしたいのかを決めるチャンスがあります。 自由にアイディアをコントロールすることができるのです。

* あなたの罠

あなたは、否定側に対して罠をしかけ、相手の議論への反論を隠し、弱い議論を守るように誘惑することができます。肯定側の立場からディベートすることは、コミュニケーションにおける戦略を学び、上達させるために最適であり、これらは後々他の機会で活かすことができます。

* あなたの主張

あなたは、自分が支持したいもの、主張したいことを決めることができます。あなたが公共の場で自分が望む変化を提案することで、他の人々が反論し、そのアイディアを試すことができます。将来、あなたは立ち上がって何かを提唱する人物になる必要があるでしょうが、今こそ求められているトレーニングを受けるときなのです!

Affirmative Caseの選択

ディベートを始めたばかりの人の多くは、肯定側立論を「与えられ」ます。これはスタートを切るには良い方法ですが、あまりそれが長くならないうちに、皆さんは自分で肯定側の立論を作れるようになる必要があります。たとえもし、あなたがcaseを「与えられ」たとしても、それに変更を加え、面白い表現を追加し、それを「あなただけのもの」にしてください。実際に自分で肯定側のcaseを書くときが着たら、いくつか心に留めておいてほしいことがあります。


*強力な文献資料

あなたには、良い証拠資料が必要です。自分のcaseの案に関連して書かれた記事や本があるといいでしょう。自分の目的を満たすようなデータや事実を整理する勉強になります。自分のアイディアに関する資料がたくさんあっても、恐れることはありません。文献や資料についてよく知っている限り、このディスカッションを始めたときから、あなたはほとんど常に相手より有利な立場に立っているはずだからです。

*文献資料があなたのやり方を変える

本当に完璧なアイディアなんてまず存在しないのですから、自分のcaseに反論している資料があっても、恐れることはありません。否定側の議論を予想することが出来るので、両サイドの資料をもっているのが一番です。しかし、問題の論点について、圧倒的多数の資料にあなたの側を支持してほしいこともあるでしょう。そのときは、あなたはいつでも「専門家の大多数は自分の意見を支持している」と主張することができます。

*あなたの主張:より良く、より深く、より矛盾を減らすように

自分が信じる領域をcaseとして取り上げれば、ディベートのなかでより素晴らしい仕事をすることができます。その分野についてより興味をもって学ぶことが出来ますし、リサーチや準備も容易になるはずです。また、肯定側のcaseが自分の他の信念・価値観にフィットしたものになることから、ディベートする際にもより矛盾を少なくすることができるはずです。

*否定側は予測できる

否定側の対応を予測できるような肯定側のcaseを採用するといいでしょう。もし、あなたのcaseに対する反論の資料が、何度も何度も同じことを繰り返し言っている傾向があるなら、しめたものです。相手の議論を比較的少ない数にしぼって、準備することができるからです。

*一番ありがちな議論は、避けるか、ひっくりかえす

確かに、多くの論題では否定側の議論は非常に予測しやすく、一方で広範囲に及びます。一番ありがちな普通の否定側の議論は何かを見極めたうえで、それに答えられるような形でcaseを用意し、より良い形で相手の議論をひっくり返してしまいましょう。想像力に欠けるつまらないディベーターたちは、いつも同じ「なんにでも使える議論 [generic argument]」を使ってきます。あなたは、彼らのような人たちを尻目に、勝利に勝利を重ねられるような領域まで到達したいはずです。

* 「ありがちな普通の」Case

否定側のチームは、もっともありがちなcaseに対して、一番よく対策をしてくるはずです。このため、その分野で一番普通のcaseは、あなたは使いたくないかもしれません。でも、もしあなたのcaseがほんの少し普通とは違っていれば、否定側はおそらく準備がととのわず、初めてそのようなcaseに対して試合をすることになるでしょう。


準備 [preparation]

肯定側のcaseを準備するということは、自分のリサーチの結果とアイディアをどれだけまとめられるかにかかっています。リサーチは、おそらくディベートで学べる技術の中でも、もっとも大切なもののひとつです。現在は情報化時代であり、情報を発掘できるということは、金を発掘できるのと同じくらいの意味があります。今すぐ学びましょう。そうすれば、後の人生で、あなたは金塊と同じくらい価値のある貴重なものを見つけることが出来るはずです!

* リサーチ:利用できる資料を「scan」する

図書館にいき、資料を探し始めましょう。「ざっと目を通す[scan]」という単語が、ここではキーワードになります。見つけたものをとりあえず読み始めるようなやり方では、何も得られません。あなたは、図書館が持っている全てのものを「scan」し、最高の資料は何なのかを見極め、そしてそれらを最初に読むのです。この本の中の「リサーチ」ガイドを参照してください。自分のテーマに沿ったあらゆる種類の文献 ---書籍、リサーチする分野の専門雑誌、政府文書、インターネットのサイト、一般雑誌、新聞、その分野の専門家グループが発行した詳細なプリントなど --- を、確実に調べるようにしてください。

* どうやって読むのか:「scan」する方法

さまざまな文献を見つけたら、それらを整理・選別し、まず最高のものから見ていきましょう。ここで再び、「scan」という言葉がキーワードになってきます。単に本を選び出し、それを最初の1語から最後まで全部読むようなやり方ではいけません。そんなやりかたでは、絶対に終わらないでしょう。かわりに、本を選んだあと、「scan」するのです。章の見出しを見て、あなたが欲しいものが含まれていそうなところを探し出し、そこを最初に「scan」します。章を「scan」するときには、最初の数段落と、最後の数段落を読みます。もし良さそうに思えたら、段落単位で章を「scan」しましょう。段落を「scan」するには、最初の1文と最後の1文を読みます。もし、自分が探している分野に有益に思われたら、段落全体を読みましょう。このやり方なら、何百ページもの関係ない中身を読むことなく、本当に必要な段落だけを読むことができます。あなたのcaseのキーワードを、本の目次から探すのを忘れないようにしましょう。雑誌の記事や、ほかの出版物でも、基本的に同じことをやります。膨大な資料を「scan」することで、自分が求めているものを正確に探し出せるようになれば、あなたはもう情報化時代の勝者です。

*否定側の議論を認識し、断ち切る

同じように、否定側の資料や議論も、必ず探しておくようにしてください。どのような反論があるのかを理解しない限り、自分のcaseを完全に理解したことにはならないのです。この本の「証拠資料」の章にある、資料の扱い方のガイドラインを参考にしてください。

* 資料の整理:お決まりの論点 [stock issue] の形にしてみよう

資料を集めたあとは、それらを内容に応じて整理する必要があります。お決まりの論点 [stock issue]に基づいて整理するのがもっとも良いでしょう。あなたは、重要性、内因性、解決性/プラン、否定側、デメリットへの反論 [significance, inherency, solvency/plan, negative, answers to disadvantages] といった、カテゴリーをもっているはずです。資料を整理するときは、いつもその資料がどの議論に結びつくのかを考えるようにしましょう。キーワードに基づいて整理してはいけません。たとえば、「先生」についての全ての資料を、同じところにまとめてしまうのは失敗です。それらは、先生が良いと言ってたり、悪いと言っていたり、先生がプランを忌み嫌っていると言っていたり、プランが教育を良くすると言っていたり、と様々だからです。あなたは、資料をディベートのなかでどのように使うかによって、資料を整理する必要があります。

* 足りない資料や、資料の弱点を認識する

単に偶然見つけた資料だけを集めるのではなく、自分が「必要としている」資料に注意を払うのを忘れないようにして下さい。そのような資料を探し出すには、特別なリサーチをしなければなりません。あるいは、その資料なしでもcaseを使えるような道を探し出すのも一つの手です。


Affirmative Caseを作る - 肯定側の最初のスピーチ

肯定側の最初のスピーチは、ジャッジにとっての第一印象となります。ご存知のとおり、第一印象は大切なものです。最初のスピーチで、ジャッジが自分たち自身や、そのアイディアに良い第一印象を持ってくれるように努めましょう。

* スタイルとレトリック [言葉を飾ること]

色とりどりの、しかも洗練された言葉を使いましょう。次々と証拠資料を繰り出すだけではなく、その資料が何を証明しているのか、なぜその議論が大切なのかを説明するような、強力なメッセージも示すべきです。自分たちのcaseをジャッジに「説明する」ために、言葉を使いましょう。そして言葉遣いの中に、自分のスタイルと気品を示すのです。


* ジャッジによって、バージョンを変える

ジャッジによって、異なる1ACを使いたいこともあるでしょう。遅いスピーチを好むジャッジもいれば、早いスピーチを好むジャッジもいます。ディベートの試合が始まる直前の数分間で1ACを編集・変更しなくてもすむように、あらかじめ2つの違うバージョンを用意しておきましょう。


* 主題文 [thesis statement]

1ACの最初に論題を読み上げ、それからまず、自分たちのcaseのバックにある主題を2~3文で説明しましょう。証拠資料や細かい点 [subpoint] について語り始める前に、全体のおおまかな方針をジャッジに伝えておくことは、いつも有効です。


* 論点[contention] 分けとタイトル付け[tag]

論点分けは、少なめに明確に行いましょう。なるべく、定常争点 [stock issue] にマッチするように論点を分けます。各論点での見出しの言葉使いは、ジャッジが簡単に書き取れるように、わかりやすく簡潔なものにします。あまりに多くの小さなポイント [subpoint] を気にしすぎてはいけません。自分たちのアイディアを大きく見せるのです。断片的で小さい、という印象を与えてはいけません。また、大切な論点については、繰り返してもかまいません。そうすることで、ジャッジの理解がより確かなものとなるはずです。


* 並べ方:論理的な順番にする

議論を、意味のあるグループに配分しましょう。たとえば、「どうしてプランが問題を解決するのか」という点に関する全ての議論を、1つのcontentionに入れる、といった具合です。スピーチを組み立てるに当たっては、問題解決型のフォーマットに従いましょう。たとえば、次のようなパターンを試してください:
問題 (significance)、原因(inherency)、解決法(plan)、実効可能性(solvency)
このやり方なら、ジャッジやほとんどの人を納得させられるはずです。

* inherency : 他の地域では問題が多い、しかし必要とされている(?)
 
皆さんは、まずinherencyを示さなければなりません。しかし、注意しましょう。これは皆さんを悩ませることになります。詳細は、この本の「Caseを攻撃する」のInherencyの章を参照してください。あなたは、いくつかの種類の中からinherecyを選ぶことができます。


* 態度の問題 [attitudinal]

国民や政治家、その他の人々は、プランの導入を望んでいないか、問題を解決したいと思っていない。

* 構造的な問題 [structual]

法律や規制、物理的な制約などが、プランの実行を妨げていたり、問題への解決策を妨げていたりする。

* 実害に関するinherency

現状で行われようとしている解決策は、「悪い」ものであり、何らかの実害 [harm]を引き起こす。そして、肯定側のプランは、こうした実害なしに、問題を解決することができる。

* 存在するのかどうか [existential]

それほど強力なinherencyではありませんが、みんながこれを使います。ここでは、果たして問題そのものが存在するのかが争点となります。世の中のどこかにはinherencyが「存在する」に違いない、としつこく主張しましょう。

* 重要性、インパクト、メリット [significance, impact, advantage]

次の定常争点[stock issue]は、重要性 [significance]です。プランの必要性を重大なものに思わせるため、必ずこの点を明確に描き出すようにしましょう。そのために、たくさんの方法があります。

* メリット vs 被害 [advantage vs harm]


Advantages and harms say the same thing in a little different way. An advantage says that if we adopt the plan things will be better, while a harm states that bad things are happening now and we need to stop them. Advantages are best when your impact is in the future, harms are better when our impact is in the present.

* QUALITATIVE DIMENSIONS

Every impact and bit of significance talks about some bad thing that needs to be avoided. Sometimes it is a qualitative statement, in that it is not susceptible to numerical evaluation. You can't assign a dollar value to freedom or a weight to beauty, because these are qualitative concepts. Nevertheless they are very important. Very few thinking people would sell themselves into slavery, for example, at any price.

* QUALITATIVE DIMENSIONS

Some impacts are clear in their implications and need only be counted. Deaths, illnesses, children in poverty, these are all things which we readily accept as being bad, so the only question is how many of them can you specify in your case? Find big harms and then find big numbers to represent them.

* EMOTIONALLY LOADED

Find harms that pull at people's hearts. Show compassion and concern for those you identify in your case as being harmed, because after all, it is they you are advocating for.

* PLAN

Your plan is what you really advocate and is the most strategic portion of your affirmative case. Make sure it is clearly and carefully written. Here are some suggestions for plan construction.

* MATCH THE RESOLUTION

Use as many of the words in the resolution as you can in your plan, because it makes it sound a lot more topical.

* AGENT: SINGULAR OR INCENTIVE ORIENTED

You need some agent to carry out your plan. Certainly you need to use the agent identified in the resolution (such as the federal government), but beyond that you should indicate what part of that agent will implement the plan. As well, you might want to have the agent in the resolution give incentives to other groups or levels of government to carry out the plan.

* ACTION: WHAT, HOW MUCH, NOW LONG, MODEL, ADVOCATE

You need to specify the action in your plan. What is it that will be done? How much will you do it? How long will it take to implement the plan? You might consider using a model program as a guide for your plan ("We will do nationally what they do in Wisconsin"). This makes it easier to defend your plan as working, since it works in Wisconsin. You might also want to identify an advocate, probably someone you have good solvency evidence from, by saying"We will adopt the school voucher proposal presented by Dr. Ivan Feelgood of the University of Montana."Again, that may make proving solvency easier.

* FUNDING: NORMAL VS. TARGETED

You need to pay for the plan. You can do that by either using"normal means"(money gets appropriated by Congress like normal) or you can have targeted funding (such as cuts in a new and expensive bomber for the military). Either way, you need to be able to say how you pay.

* ENFORCEMENT: NORMAL VS. TARGETED

You need to make sure the plan has the force of law, or else people who don't like it will simply ignore it. You can utilize normal means for enforcement (executive branch, police, courts) or you can have a specific agent to enforce it (Inspector General of the United States).

* INTERPRETATION

Your plan can never be complete because your speech is limited in length. You might indicate in your plan that affirmative speeches will clarify plan particulars if necessary. After all, you don't want the negative clarifying what the plan does.

* SOLVENCY

Solvency is the most important of the stock issues the affirmative must prove in 1AC. You get no credit for pointing to a problem, only credit for solving it. This is also the stock issue the negative is most likely to attack.

* HOW IT HAPPENS AND WHY

Make sure your solvency evidence and your rhetoric explains to the judge how and why your plan solves the problem or gains the advantage. These explanations will help you defend against negative attacks. Judges hate to vote for plans when they don't understand how they work.

* RANGE OF SOLVENCY

Indicate how much of the problem you will be able to solve. Don't worry that you can't solve all of the problem, because your plan will still be a good idea even if it isn't perfect. However, you need to be able to indicate a range of solvency: we solve some important part of the problem, we solve half the problem, we solve almost all of the problem, we solve all of the problem. As long as you can sole SOME of the problem you have met the solvency burden, but the more you solve the better off you will be.

* USING A MODEL OR EXAMPLE

Feel free to copy some plan which has already shown itself to be successful. Then read the results of that specific program as your solvency evidence.

* SOLVENCY ADVOCATE

While not essential, judges generally like it and many negatives will demand it -- some specific author who says your plan is a good idea.

* OVERCOME THE INHERENCIES

If you identify inherent barriers make sure your plan can overcome them.

* FRONTLOADING: MOST NEEDED EVIDENCE FOR 2AC

Also put evidence in the 1AC which you can use later. Hide it somewhere, and then in 2AC you can use it without having to waste the time reading it. For example, you can hide evidence to turn the disadvantages, evidence to permute the counterplan, and independent solvency evidence. Often a good place to hide such evidence is near the end of the 1AC because the negative is all concerned about what they are going to say in the 1NC and the bottom of the 1AC is probably the last place they will get to in their 1NC.

投稿者 misudo : 19:07 | コメント (6892)

THE CODE OF THE DEBATER

私はディベーターです。

私は、このcode of the debaterを守ろうと努力することで、ディベーターの名に恥じない人間となろうとするものです。

自分自身に対して:

私は、論題について調査し、自分が語ろうとしているものについて知識を身につけます。

私は、自分のディベートの対象を尊重します。

私は、威圧や暴力よりも、説得を選びます。

私は、勝利から学び、敗北からは特に学びます。

私は、寛大な勝者となり、礼儀正しい敗者となります。

私は、今や自分が世界の一市民となっていようとも、出身地を記憶しつづけ、尊重します。

私は、他人への批判を、自分自身へも当てはめます。

私は、他人の中に自分を見出そうと努力します。

私は、ディベートの中で自分が担当する立場を支持するため、なしうる最高の議論を展開します。

私は、人生において、どちらの側を支持するか決めるために、なしうる最高の議論を用います。

他の人に対して:

私は、もし賛成できかねるようなものであったとしても、相手が自由にスピーチや表現を行う権利を尊重します。

私は、自分のパートナー、対戦相手、ジャッジ、コーチ、そして大会の運営者を尊重します。

私は、自分や相手の議論・資料に、誠実に対応します。

私は、より経験の浅い人たちを助けます。自分は学ぶ側であり、同時に教える側でもあるからです。

私は、人生において、必要な側に味方し、権力に対しても真実を語りかけようとする、唱道者となります。

投稿者 : 07:21 | コメント (0)

今すぐディベートをはじめよう!

あなたのクラスでも、ディベートは今すぐ始められます。

公会ディベート [Public Assembly Debate] をしよう

新米ディベーターにとって、論題について考え始めるのと同時に、人前でスピーチする練習をするチャンスにもなります。これまでに私たちは皆さんが使える論点をいくつか提案してきましたが、さらに自分で論点を考え出しても構いません。

この練習は、昔かたぎのバーモントのタウンミーティングをモデルにしています。ここでは、時事的な問題が話し合われます。遠慮なく手をあげて、問題となっている議題に対して賛成か反対の簡単なスピーチをして下さい。手をあげて、当てられて、部屋のまえに来て、自己紹介をし、言いたいことを言うだけです。自分がやりたいと思うなら、どんどん行きましょう。みんなにもスピーチをするよう働きかけて下さい。ただ、もしスピーチをせずに見ていたい人がいたら、それもまた良いことです。

練習が進むんできたら、遠慮なく立ち上がって、他の人が言ったことに対して賛成・反対をしてください。学生の一人を、聴衆に発言を求める議長に指名することもできますし、先生が議長になることもできます。あるいは、先生も1人の聴衆となって、スピーチをすることもできます。

論点 [The Issue]:「tracking」としても知られる、学校での能力別クラス編成。生徒たちはその能力を評価された上で、その能力に「適切である」と思われるクラス・学習環境に編入される。どんな科目分野にも、高・中・低学力の生徒がおり、従って、グループ分けされる。

論題 [THE MOTION]:この公集会は、理科・数学・歴史・英語を含む(がそれに限定されない)学習機会やクラスの指定には、能力別編成あるいは「tracking」は行われるべきではないと信じる。生徒はこれまでどおり、学年や必修科目の修了状況をもとにクラス分けされる。

[This assembly believes that ability grouping, or"tracking,"should not be used in assigning students to classes or learning opportunities, including but no limited to science, mathematics, history, and English. Students may still be assigned to classes based on their grade in school or on having fulfilled prerequisite courses.]

[訳注:上は、論題と論点の例だと思われます]


ミニ・ディベート [Debate Skirmish] をしてみよう

自分や他の生徒が関心を持てるような論点を選びましょう。論題には、自分の好きなどんな論点でも選ぶことができますが、私たちは皆さんに1つ例を与えています。生徒に興味と関心を持たせる論題を取り上げることは、どんなときでも良いことです。

論題:高校は、日本と同じように無償になるべきである。[High school should be voluntary like it is in Japan.]

2人1組のチームを、肯定側と否定側の2つ作ります。両サイドから見た論点について一般的なディスカッションをし、それらを黒板に書くため、10〜15分の時間をとりましょう。この時間のあいだ、2つのチームはアイディアや戦略を練っていることができます。ディスカッションのあと、どの議論を使うかを考えるため、さらに5分間時間をとります。

以下のような、とても短いディベートをしてみましょう:

肯定側の1st speaker - 3分

否定側の1st speaker - 3分

肯定側の2nd speaker - 3分

否定側の2nd speaker - 3分

両チームについて、聴衆や相手チームからの質問を受け付けましょう - 10分

否定側のスピーチのまとめ - 3分

肯定側のスピーチのまとめ - 3分

このディベートは、約30分かかります。ディベートで1試合議論をしたあとも、次の授業の時間には、同じ論題について、別の生徒と2試合目のディベートをすることができます。

これで皆さんもディベーターです!  "ディベーター道 [code of the debater]"を口に出して、すぐに次のセクションへと進みましょう!

[訳注:次のページに載っているcode of the debaterを、大きな声でみんなで読み上げよう!と言いたいようです]

投稿者 misudo : 06:17 | コメント (0)

ディベートの枠組み

太字になっている単語の多くは、あなたがディベートへの関係を深めていくにれて、さらに学んでいく必要のある概念です。この本の終わりには、用語解説があります。


肯定側第一立論 [First Affirmative Constructive Speech](1AC)

8分間

肯定側の論題についての主張をうち立てます。

解決できる問題が存在します。 - 重要性、被害、メリット [SIGNIFICANCE, HARM, ADVANTAGE]

現状のままでは、変化なしに問題を解決することはできないでしょう。 - 内因性 [INHERENCY]

いまここに、実行に移されるべき具体的な提案があります。 - プラン [PLAN]

私たちのプランは、問題や被害 [harm] を解決します。 - 解決性 [SOLVENCY]


否定側の2nd speakerから1ACへの質疑応答

3分

1. 相手の議論を理解するのに役立つ質問をしましょう。(情報を得る:GET INFORMATION)
2. 自分たちの議論を出すための準備となる質問をしましょう。(返答をあとで相手への反論に使う:USE ANSWER AGAINST THEM LATER)
3. 自分がどんなに素晴らしい人間であるかをジャッジに見せつけましょう。(礼儀正しく友好的な人物のように振る舞う:ACT LIKE A POLITE, FRIENDLY PERSON)


否定側第一立論 [First Negative Constructive Speech](1NC)

8分

肯定側に攻撃を加え、否定側からのさらなる議論を展開し始めましょう。

肯定側のcaseの詳細に対して、反論をしましょう。- ケースへの反論 [CASE ARGUMENTS]

プランが採用されたら、悪いことが起こることを主張しましょう。 - デメリット [DISADVANTAGES]

肯定側の根本的な前提部分に、欠陥や誤りがあることを主張しましょう。 - クリティーク [CRITIQUE]

プランが論題を体現したものになっていないことを主張しましょう。 - トピカリティ [TOPICALITY]

プランよりももっと優れた代替案があることを主張しましょう。- カウンタープラン [COUNTERPLAN]


肯定側の1st speakerから1NCへの質疑応答

3分



肯定側第二立論 [Second Affirmative Constructive Speech](2AC)

8分

肯定側の立場を守り、否定側の立場を攻撃しましょう。肯定側にとっては、新しい論点を導入する最後のチャンスとなります。

デメリット [disadvantage] は、実は肯定側に投票するための理由になってしまうと主張しましょう。 - ターンアラウンド[TURNS]

カウンタープランは、肯定側のプランと共存できると主張しましょう。 - パーミュテーション [PERMUTATIONS]


否定側の1st speakerから2ACへの質疑応答

3分


否定側第二立論 [Second Negative Constructive Speech](2NC)

8分

肯定側の立場を攻撃し、否定側の立場を守りましょう。否定側にとって、新しい論点を導入する最後のチャンスです。

2NCと1NRは、別々の論点を担当するべきです。 - 役割分担 [DIVISION OF LABOR]


肯定側の2nd speakerから2NCへの質疑応答

3分


否定側第一反駁 [First Negative Rebuttal](1NR)

4分

肯定側の立場を攻撃し、否定側の立場を守りましょう。 - 役割分担 [DIVISION OF LABOR]


肯定側第一反駁 [First Affirmative Rebuttal](1AR)

4分

否定側のすべての論点に答え、肯定側の立場を守りましょう。


否定側第二反駁 [First Affirmative Rebuttal](2NR)

4分

勝ちにつなげるための論点を選び、それらを批判的な立場の人へと売り込みましょう。 - 論点の比較・評価 [WEIGH THE ISSUES]


肯定側第二反駁 [SECOND Affirmative Rebuttal](2AR)

4分

勝ちにつなげるための論点を選び、それらを批判的な立場の人へと売り込みましょう。 - 論点の比較・評価 [WEIGH THE ISSUES]


各チームは、スピーチの前に使うための、合計5〜10分の準備時間 [prep time] を与えられます。この時間は、大会によって異なります。

最後に握手しましょう。ジャッジからなにかコメントをもらえるときは、そちらに注目して下さい。

投稿者 misudo : 05:12 | コメント (0)

2004年09月10日

ディベートとは、結局どういうものなのか?

「ディベートの基本」(Peach State Debate Classic Handbookより)

ディベート大会
ディベート大会が開かれるおかげで、いろんな学校の生徒が集まって、今ある制度に存在する問題を解決するためのより優れた政策を、誰が持っているのか決めることができます。一般には、大会の開催場所に着いたら、対戦表が張り出されるメインロビーや学生センターで待っているといいでしょう。一番大きな集団についていけば、ここには割と簡単にたどりつけるはずです。対戦表は、ディベートをするチーム、部屋番号、ジャッジ名を示したリストになっています。毎ラウンドごとに、異なる対戦が組まれます。一般に、ディベートの試合は教室で行われます。対戦表を確認したら、試合に遅れないように、できるだけ早く指定された教室を探すのがいいでしょう。部屋の場所を見つけだすには、しばしば地図も有効となります。

両サイドのチームとジャッジが教室に到着したら、ラウンド開始です。最初の2、3試合では、ほとんどの生徒は、自分が何をすべきかはっきりしたアイディアを持っていません。やり方に自信がないときは、ジャッジに尋ねるのをためらわないようにしましょう。そうして最後には、ディベートがもっと心地よく感じられるようになり、緊張感も弱まってくるのです。

ふつう、大会では何試合か予選 [preliminary round] があります。参加する全てのチームが、ここで試合をします。時には、トーナメント [elimination round] が行われることもあります。一般には、上位のチームがこのトーナメントに参加し、勝ったチームは次に進めますが、もう1チームは大会から消え去ることになります。予選で最もよい成績をおさめたチームが、トーナメントに進むのです。初心者は、もっと経験を積んだディベーターをここで見学することで、大きな利益を得ることができます。

論題について
論題 [resolution] の目的は、ディベートを制限することにあります。論題は、肯定側と否定側両方のチームに、公平な陣地の分配を行います。たとえば、1999年から2000年にかけての高校のシーズンは、このようになっていました。

Resolved: That the federal government should establish an education policy to significantly increase academic achievement in secondary schools in the United States.
(連邦政府は、合衆国における中学・高校の学力を大幅に向上させるための教育政策を策定すべきである)

お決まりの争点(定常争点)と論題

定常争点 [stock issue] は、肯定側のケース [Affirmative Case] が論題の良い例であることを示すために、伝統的に肯定側に課せられているものです。これらの定常争点は、「prima facie(ラテン語。一見して明らかな、という意味)」と呼ばれ、肯定側に証明責任があることから、肯定側が試合で勝つためには、必ずこの責任を果たさなければなりません。

(訳注:現在の日本ではstock issueパラダイムは完全に過去のものとなっており、単純にメリットとデメリットの大きさを比べるだけのpolicy makingパラダイムが主流となっているため、必ずしも以下の分析が日本の状況に当てはまらない可能性があります)


トピカリティ [Topicality]

トピカリティとは、肯定側のチームが論題の枠組みの中にいる、ということを確信させるための、定常争点です。論題は、ディベートにおける「課題」のようなものです。授業のテストとちょうど同じように、あなたは与えられた問題について答えなければなりません。もし、自分が課せられた側から論題を論じなければ、課題に落第し、ディベートで負けてしまうことでしょう。

重要性と被害 [ Significance and Harms ]

重要性 [significance] と被害 [harm] は、問題の重要さを扱います。Harmは、問題が解決されなかったときに起こるであろう結果のこと、として定義されています。Significanceは、Harmがどの程度重要なものなのかを評価します。

解決性 [Solvency]

解決性 [Solvency]は、肯定側のプランが、明らかにされた問題を解決するのかどうか、また解決するならどの程度なのか、をはかるための指標となります。もし肯定側のプランがHarmを解決しないなら、それを実行に移す必要はないでしょう。

内因性 [Inherency]

内因性 [Inherency] は、論題にあてはまる行動の必要性について言及します。たとえば、もし肯定側のチームが「アメリカにゴミ処分場を作れば汚染がなくなるだろう」と提案しても、アメリカにはすでにゴミ処分場があるため、「現状に問題がそもそも存在しない(non-inherent)」とされてしまうでしょう。もしプランが既に実行されていれば、それをさらにもう一度制定しなおす必要はない、ということになってしまうため、Inherencyは重要であるといえます。

フィアット [Fiat]

フィアット [Fiat] (フランス語。「そのようにさせる」という意味)とは、肯定側のプランが実際に実行に移される、という仮定のことです。この仮定によって、国会が本当に政策を通過させて実行に移す意志があるのか、という疑問のせいでディベートが損なわれるのを避けることができます。一般に、Fiatは論題の中の単語「should」から生み出されているとされます。ディベーターは、プランが実行される可能性がある(would)かどうかではなく、プランが実行される「べきである(should)」かどうかを議論するのです。


スピーチの順番と責任

立論のスピーチ [constructive speech] は、肯定側と否定側が勝ち取りたいと願っている議論を構築するために使われます。反駁のスピーチ [rebuttal speech] は、各々のチームによって取られた立場をしっかりと固め、なぜジャッジが一方を差し置いてそのチームに投票しなければならないのか、という理由を伝えるために用いられます。

1AC - 最初の話し手 [speaker] は肯定側から出されます。論題に該当し、あとに続くディベートの基礎となるケース [case] とプランを提示するのが、1ACの責任です。このスピーチは、あらかじめ事前に用意しておいたものだけを使うことなります。

[訳注:ここでのcaseとは、プランを採用することで生まれる具体的なメリット、という意味くらいに解釈していればOKです]

1NC - 2番目の話し手は否定側から出されます。肯定側が1つ前のスピーチ(1AC)で示したcaseによって、1NCにおける戦略 [strategy] は異なってきます。1NCは、ふつうはデメリット[disadvantage] 、トピカリティについての議論、そしてcaseへの反論 [case attack] など他の議論から成り立ちます。

2AC - 1NCで提出された議論に対して答えることが、このスピーチの担当者の責任となります。

2NC - このスピーチは、ラウンドに新しい議論を持ち込むために使われることもありますが、普通は肯定側の議論の誤りを指摘するために使われます。このスピーチはまた、1NCによって生み出され2ACで応戦された議論を、さらに引き延ばす [extend] ために使われます。

1NR - 一連の反駁のスピーチ [rebuttal speech] の中では一番最初となるものです。このスピーチでは、2NCが応戦しなかった議論のうち、否定側が重要だと感じるものをカバーします。

1AR - 肯定側の最初の反駁のスピーチになります。このスピーチの担当者は、否定側の2つのスピーチで提出された議論を全てカバーする責任があります。全ての肯定側の議論をカバーするためには、上手にスピーチをする技術を持っていなければならず、このことが1ARをディベートのラウンドのなかでも最も難しいスピーチの1つにしています。

2NR - このスピーチは、なぜ肯定側ではなく否定側に票を投じなければならないのか、という理由をジャッジに説明するために使われます。ラウンド中で出された全ての議論は、この時点で全て明らかなものとなっていなければなりません。2NRはこの時間を、2NCと1NRの議論を強調するために使うべきです。

2AR - 最後の反駁のスピーチとなります。このスピーチは、肯定側がジャッジに強い印象を与えるための最後の機会となります。この時点で、肯定側のチームはなぜ自分たちがこのラウンドで勝っており、またどうしてcaseがデメリットによる被害を上回っているといえるのか、ジャッジに説明しなければなりません。


質疑応答 [Cross Examination]
議論をよりはっきりとさせるため、立論のスピーチの合間に3分間、各々の選手が相手に質問をすることが許されています。

Cross Examinationの順番

IA - 2Nが質問する

IN - 1Aが質問する

2A - 1Nが質問する

2N - 2Aが質問する


審判 [Judges]

ジャッジ [judge] は、ディベートの試合の結果を決める人のことです。予選の試合の場合、ふつうはジャッジは各試合あたり1人で、トーナメント [elimination round] になると3人以上となります。試合で誰が勝ったかを決めるだけではなく、ジャッジは各々の選手にポイントをつけ、順位付けをおこないます。選手は1位、2位、3位、4位と順位付けされ、1位が最高となります。ポイントは1点から30点まで与えられ、30点が最高です。よほど極端な状況でなければ、20点以下を与えることはほとんどありません。この順位とポイントは、どれくらいそのディベーターが上手にスピーチをし、明確に述べ、そして議論を提案したかをランク付けします。こうした状況から、試合中、選手はお互いと勝手に議論するのではなく、ジャッジを語りかける対象としなければなりません。

フィロソフィー [philosophy] に関わらず、ジャッジは介入したくはないものです。ジャッジは、ディベーター自身が結論を決め、最後のスピーチでそれぞれの議論を比較・評価してくれることを望んでいます。

試合が終わったあと、もし時間が許せば、ジャッジはディベーターがしたことに対して批判を与え、改善のための提案をしてくれるでしょう。

投稿者 misudo : 00:30 | コメント (0)

2004年09月09日

なぜディベートをするのか?

 ディベートは時間と努力を必要とします。しかし、何百万もの生徒が、何年もの経験の結果、ディベートにはそれ以上の価値があると感じています。

「ディベートは楽しい」
あなたは、パートナーとともに、他の生徒に対抗してディベートを行います。学校におけるあなたのチームは、いつしか、勝つためにともに作業を行うためのディベート・スクワッド、そしてコミュニティとなります。そこで多くの友人を作り、新たに多くの面白い人々に出会うことでしょう。そして、スリルにあふれた大会に参加し、学校の外へと旅立つのです。

「ディベートは、頭と声を使ったスポーツである」
あなたは、自分の頭と口を使うことを極めることになります。あなたには勝つチャンスがありますし、たとえもし勝てなくても、そこから学ぶことができます。足が速かったり、背が高かったり、体が大きかったり・・・といった肉体的な条件が必要なある種のスポーツは違って、ディベートは誰にでも開かれています。良いディベーターになるためには、学識もテストの点も必要ありません。もしあなたが「自分はちゃんと学べる人間だ」と感じていたり、自分の頭の回転がいいと思っていたりするなら、ディベートはもうあなたのものです。そして、たとえもし「自分には特に優れた点なんて何もない」とあなたが考えていたとしても、ディベートはあなたの能力を鍛えてくれます。

「ディベートは、あなた自信によってコントロールされるものである」
あなたは自分でスピーチをし、議論を選び、自分で作った戦略を使うことになります。何をするべきか、何を勉強するべきか、ということを言われるかわりに、ディベートでは、あなたが自分自身で学習計画を立て、自分の興味のあるアイディアや論点を追い求めることができます。

「ディベートは、あなたの成功のために必要な技術を生み出す」
ある種の研究は、雇用者や大学はオーラル・コミュニケーションの技術に長けた学生を求めている、ということを示しており、ディベートはオーラル・コミュニケーションの技術を向上させることを基本としています。同時に、オーラル・コミュニケーションに長けた人たちは、他の人から「リーダー」であるとみなされ、仕事でも速く出世する、ということが示されています。ある種の活動や学習分野とちがって、あなたが人生をどこに向かわせようとしていても、ディベートはきっと役立つでしょう。

「ディベートは、ものごとを変える力を与えてくれる」
学校で、コミュニティで、あなたの国で、そして世界で・・・。ものごとは変化を求めており、あなたの声は変化のための強力な道具となります。マルコムXの人生は、彼が獄中でディベートを学んだ瞬間から変わりました。のちに彼が書き記した内容を聞いて下さい。

「これまでに、Norfolkの植民地刑務所では、ディベートが毎週行われていた、ということをお話ししました。読書体験は、自分の頭を高圧蒸気のようにしていました。どうにかして、わたしは白人に面と向かって、彼ら自身のことについて言ってやらければならなかったのです。ディベートを始めることでこれが実現できる、と判断した私は、ひとたび足を踏み入れるなり、ディベートに没頭してしまいました。選ばれたテーマのどちらの側についても、そこから得られるあらゆるものを徹底的に調べ、勉強しました。自分を反対側の立場に置いてみて、自分ならどのように勝とうとするかを判断したのです。私は、あらゆるポイントを叩きのめす方法を思い描いていました。」
[マルコムXの自伝,1964]

ディベートは、マニアやおたくのためだけにあるのではありません。マルコムX、マーカス・ガーヴィ(訳者注:全黒人地位改良協会の設立者)、ジョン・F・ケネディなど、多くの人がディベートを愛しました。これらの人を、マニアやおたくだということはできないはずです。

投稿者 : 16:53 | コメント (0)

ディベートって何?

 ディベートとは、「変化」について語るものです。私たちは、自分たちの人生、コミュニティ、国、世界、未来をよりよいものとするため、常に格闘し続けています。現状には決して満足することはないのです。もちろん、人生には改善しようのないものごとも存在するのですが。

ディベートとは、変化がどのように起こるべきかを判断するプロセスであるといえます。これは、私たちの考え方・生き方を変えることを正当化する試みなのです。実際に、ディベートはアメリカの上院・下院のフロアで毎日のように行われています。国連、学校の教職員会議、そしてあなたの夕食のテーブルでも、ディベートは行われているのです。これらはやり方は違うかも知れませんが、プロセスそのものは同じです。すなわち、変化が良いものなのか悪いものなのかを決めるため、議論するのです。国連はイラクのクウェート侵攻の善悪について、教職員会議では学校の方針についてディベートを行い、そしてあなたも最近、夕食の後に両親と、小遣いの額や車を運転し始める時期についてディベートしたかもしれません。

教育の現場では、私たちはこのディベートのプロセスを「形式化」しようと試みます。

1、あなたはパートナーとともに作業します。あなたとパートナーで、ひとつの「ディベートチーム」を形成するのです。論題に対しては、賛成しなければならない(肯定側 [the affirmative] )ときもあれば、反対しなければならないとき(否定側 [the negative] )もあります。どんな場合でも、ディベートにむけて準備するための豊富な時間を与えられます。

2、スピーチは、ディベート特有の形式にそって行われます。これらは、立論 [constructive] と反駁 [rebuttal] と呼ばれます。各チームのメンバーはそれぞれ、2回ずつスピーチを行います。肯定側の立論、否定側の立論、肯定側の反駁、否定側の反駁が存在します。

3、これから皆さんは、あまりなじみのないようなルールと技術を学ぶことになるかもしれません。ディベートのやりかたを学ぶ方法は、最初はとっつきにくく思えるものです。しかし、ひとたび挑戦すれば、この方法とディベートとの関連が理解できてくるはずです。ディベートで一番つらいのは、最初の数週間だけで、一度ルールを学んでしまえば、それ以降はどんどん楽になっていきます。

4、ディベートは、ただ1つの論題 [resolution] について行われます。私たちのほとんどは、競技・大会形式のディベートに重点を置くことになるはずです。いくつもの大会で争い、ディベーターに十分な準備時間を与えるために、1年間をとおして標準論題が使われます。たった今でも、何千もの高校が、同じ論点についてリサーチをし、ディベートを行っているのです。論題は、ディベートの範囲を決定します。この範囲の中には、何千という論点が存在するので、あらゆるディベートは決して同じになることはなく、いつも変化し続けることになります。

5、挑戦したい学生の皆さんは、他の高校に対抗して、学校のある期間中、ディベート大会に参加することができます。

投稿者 : 08:33 | コメント (0)

2004年09月08日

謝辞

 表紙に載っているのは私の名前ですし、この冊子の中にある誤りやミスについて、私は全ての責任を進んで受け入れるつもりですが、これは自分一人の力で書かれたものでは決してありません。1972年から、私はディベートの訓練のための教材を、自分用に集め、評価してきました。そして、これまでに出会った素晴らしい教育テクニックの全てを盗んだのです。

なかでも、最もよく御世話になったものの一つが、Emory National Debate Institute(ENDI)です。エモリー大学のMelissa Wadeとthe Barkley Forumは、新米ディベーターのための教材を生み出すことに関して、国内で指導的な役割を果たしています。年を追うごとに、これらは洗練され続けているのです。1999年版のENDIのポリシー・トレーニング教材は、単体のディベート教材としては、私がかつて見た中でも最高のものでした。これらの教材を生み出すために何年も働いた、Melissa Wade, Bill Newnam, Joe Bellon, Anne Marie Toddや、その他の全てのエモリー大の人々に対し、心から感謝の意を表します。

私がアイディアを拝借したもう一つの情報源が、毎年夏にバーモント大で開催されるWorld Debate Instituteです。このプログラムも、18年以上にわたり、新米ディベーターへの教材の開発を強調し続けています。

この他の人々の成果を利用しているところでも、私はそれらを参照し、必要なクレジットを与えるように努めました。

また、特にOpen Society Instituteには、このプロジェクトをサポートしてくれたことを感謝したいと思います。ディベートを本当に必要としているコミュニティに、ディベートを普及させようとする彼らの猛烈な熱意は、私に一種のインスピレーションを与えてくれました。

何年にもわたって、何が効果的で何が効果的でないのかを教え続けてくれた、本当にたくさんの初心者ディベーターたちにも感謝します。もちろん、私は彼らからの教訓を全て学び切れているわけではありませんが、それでも、さらに学んでいくつもりです。

この冊子は、Open Society Instituteがスポンサーとなり、その後Urban Debate Leagueに参加する国内各地の学校へと配布された、13巻からなるビデオ教材と平行して製作されました。このビデオの完全なシリーズは、現在手に入りませんが、15ステップからなるシンプルな初心者教育用のビデオシリーズは、http://debate.uvm.edu/broadcast.htmlから無料で手に入れることができます。また、http://debate.uvm.edu/ee.htmlからCD-ROMを手に入れることも可能です。

ディベートは、単なるゲームや教育活動ではありません。それは、人生に転機をもたらし力を与える「critical advocacy(批判的に意見すること)」への道なのです。これからあなたを、ディベーターの道 [code of the debater] を学び、理性の道をたどる旅へと御招待することにしましょう。

Alfred C. Snider(バーモント大学)
1999年11月

投稿者 : 02:22 | コメント (0)

ひそかにオープン

capと「CODE OF THE DEBATERを訳そう」みたいな話をしていたのを思い出してしまったので、ひそかに始めてしまいます。原本はここ

投稿者 : 01:37 | コメント (0)