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2004年11月04日

【用語集】ディベーターの「Magic Word」 by 佐々木@UT

訳:佐々木翼

管理人注:PDF版をこちらからダウンロードできます。

もしディベートを正しく行いたいのなら、ディベートの専門用語を学ぶことはとても重
要です。ほとんどの専門用語はディベートに特有な概念というわけではなく、自分の考え
や主張を評価するのに広く応用できる概念です。
これから挙げていく専門用語は必ずしも決まったものや完全なものではなく、最初に覚
えるとよいと思われるものにすぎません。これらの用語が実際に使われる時に、他にどの
ような意味があるのか調べてみてください。これらの単語はここで書かれていることをそ
のまま意味するわけではないかもしれません。結局、言葉の意味とは単語そのものにある
のではなく、人が実際に使って決まるものですから。
これからアルファベット順にディベートの専門用語をリストアップしていきます。

【A】

Add on Advantage
2AC で示される新しいAD のこと。

Affirmative/肯定側
試合中に論題を指示するサイドのこと。

Affirmative cases
通常、肯定側が変化が必要だと述べるために示すスタンスの一部を示す。何か重大な問題
が存在し(Need)、現状の政策では解決不可能だが(Inherency)自分たちのスタンスで解決可
能だ(Solvency)と述べるのである。

Affirmative plan
① 肯定側によって示される政策のこと かつ② 論題を具体化するために存在しうる多
くの政策の一つのこと。

Agent of the resolution (or Agent of Change)
論題に充当した政策を採るために存在している権力機構のこと。

Agent counterplans/カウンターエージェントカウンタープラン
論題中のある主体が政策を実行する代わりに、別の主体が政策を実行すべきと論じる
Counter plan の一種。

A priori
正しくは prior to である。通常、他の全ての議論を考慮する前に、ある議論で勝敗を決め
るべきだと論ずるために用いられる。しばしば使われる方法としては、AD やDA といった
議論を考える前にTopicality といった議論を考慮すべきだという議論に用いられる。

Attitudinal inherency
現状の政策で放置されている問題を解決するために肯定側から示されたしかるべき政策を
採択する必要があるというInherency の示し方の一種。

【B】

Best definition/ベタースタンダード

通常否定側によって論じられるTopicality のStandard の一つ。プランが論題に充当するか
判断されるために最も妥当な定義を使うべきだと論ずるのである。逆に肯定側は、ベスト
な定義を選ぶ必要は無く、ディベートを行うためにある程度合理的な定義を用いれば十分
であると論ずるのである。

Blow up
1NC で示した議論を一つピックアップしてそれを2NC で数分間ひたすら論ずること。
(*訳注:日本では2Con(2nd constructive development)と呼ばれることが多い。)

Brief/ブリーフ
証拠資料及び議論がすでに整理されて印刷されている原稿のこと。

Brink/ブリンク
DA がまさに起きようとしている点のこと。これは現状ではDA は発生していないが、Plan
によって発生してしまうことを説明することに使われる。現状はある問題がまさに発生し
ている点にいるのだが、その点は超えたわけでないと論ずるのである。

Burden of proof/証明責任
ある議論を提出したディベーターはその議論を証明する義務を負うこと。

Burden of rebuttal
ディベートでは相手の議論に常に反論していかなければならないこと。

【C】

Card/カード
ある議論を証明するために使われる証拠資料のこと。かつては、証拠資料はカードとして
編集され使われていた名残。

Case
通常1AC で示される論題を肯定するための議論。

Circumvention
肯定側の政策が解決性が無いと論ずる否定側の議論の一つ。人々がプランに対し反対する
意思(motive)を持ち、プランをうまく避ける方法を見つけ出し、(mechanism)その結果、プ
ランの解決性が有効でなくなってしまうもの。(impact)
(*訳注:例を挙げると、飲酒・喫煙は未成年では禁止されているが、実際は未成年でも行
っている。)

Cite
証拠資料がどこから引用されているか記されているもの。通常、著者、題名、出版日、ペ
ージ、出版会社等を必要とする。他のディベーターがその証拠資料を再び見つけられるよ
うに書くべきである。

Clash
ある議論に対し相手チームと反論をしあってぶつかること。

Comparative advantage case
現状にはそんな深刻な問題があると論ずる必要はないが、そのかわり肯定側のプランをと
ることによって現状よりも問題が若干良くなると論ずるタイプのCase のこと。

Competition/競合性
否定側がカウンタープランを提出するにあたって、カウンタープランは肯定側のプランと
同時に採用することができないと示さなければならないこと。もしカウンタープランが肯
定側の政策と同時に採択不可能であり、かつ肯定側の政策の代わりに問題を解決できるの
であれば、肯定側の政策の必要性を否定することで否定側に対する投票理由になる。カウ
ンタープランと肯定側の政策を同時に採択するよりも、カウンタープランのみを採択する
方が良いと示すことが出来れば競合性を示したことになる。

Conditional
自分たちの議論を好きな時に捨てることが可能な状況のことをさす。(*訳注:日本では
Conditional は二つの議論が両立しない、もしくは両立しない二つのスタンスのことをさす
場合が多い。)

Conditional counter plan
ためしに試合中に提出して、もし不利な状況になったら捨てることが可能なCounter plan
のこと。よく使われる用法は“conditional and counter plan”

Constructive/立論
ディベートで前半に行う計四回のスピーチのこと。立論では試合で争う政策や議論が示さ
れる。

Contention
Affirmative Case を構築するに当たって、重要な点を一つのContention にまとめて論ずる
ために用いられる。

Context/文脈
① 引用した証拠資料と原版の間にある関係のこと。ディベートの試合において引用され
る証拠資料は、原本に書かれている意味と一貫した意味を持つことが期待される。(*訳注:
もし引用が原本から離れている場合Distortion といって、証拠資料として認められなくな
る。また、原本から意味が離れすぎている場合、悪質なものであったら罰則として大会成
績を取り消されることもある。)
② Topicality のStandard でよく用いられる。試合中に提示された定義が論題と関係ある
資料中の用語と一貫した意味を持つか、(*訳注:Field context と呼ばれる。) もしくは試
合中に提示された定義が論題の他の用語と一貫した意味を持つか決めるために用いられる。
(*訳注:Field Context に対し、文脈といういみでのContext である。)
形容詞はContextual である。

Contradiction/矛盾
二つの議論が互いに矛盾しており両立しないこと。もしくは二つの考え方が全く異なる考
え方であること。ディベートをするにあたって、自分の議論が自分もしくはパートナーの
議論と矛盾することは避けるべきである。

Counter plan/代替案
肯定側のプランに対して否定側によって提出されるより良い代替政策のこと。Counter
plan にはプラン、肯定側のInherency とImpact を解決するSolvency,そして競合性が必要
となる。

Counter plan advantages
カウンタープランを採用することによって得られるAD のこと。

Counter plan non topicality
論題を否定するために、カウンタープランが論題の範囲外にあること。

Co-option
論題とは関係ない勢力が、プランを実行しようとすることを妨げようとすること。

Criteria
どちらのチームがディベートに勝っているか決めるために用いられるディシジョンルール
や概念的な議論のこと。Criteria と呼ばれる議論は決して無視してはいけない。その
Criteria のために他の議論と関係なく勝敗が決まってしまうことがあるからである。

Critique、Kritik/クリティーク
相手側の議論に隠されている前提を指摘し、それを重大な誤りである、非難されるべきと
攻撃することによって相手側の議論を否定する議論のこと。

Cross Ex/反対尋問
あるチームのディベーター1 人が相手チームのディベーター1 人に議論を質問すること。

Cut evidence
本や雑誌などを直接コピーしたり、書いたり、切り貼りしてブリーフにまとめること。

【D】

Debatability
Topicality やその他のディベートセオリーに関わる議論の一つ。相手側のチームの論題の解
釈や、ディベートの競技としての捉え方が、ディベートを行いがたくし質を下げると指摘
することで、そのため許されるものではないと論ずる方法。

Decision rule
Criteria を参照

Disadvantage/弊害、デメリット
肯定側もしくは否定側の政策を採用した結果悪いことが起きると述べることで相手側の政
策を望ましくないと述べる議論。

Disco
相手の議論の大部分を認めて、その状態からAD などの議論を構築していく戦略のこと。
こういった戦略をとると、相手の議論にいちいち反論をしていく必要が無くなり、自分の
チームにとって好ましい議論に集中できることにある。

Discursive impact
スピーチ中の言葉を引用することで、ディベート中に使われている”言葉”はディベートの”
議論そのもの”よりももっと重要であると論ずる議論のこと。この議論は通常”言語クリティ
ークで用いられる。

Dispositional
競合性を認めることによって、議論(通常カウンタープラン)を放棄することが可能なこと。

Double turn/ダブルフリップ
DA 等を処理するために、Link turn およびImpact turn を提出すると起きる状態。相性の
悪いTurn を二回提出したためにひっくり返って、むしろAD が生じてしまう。
(*訳注:例を挙げると、環境税を導入してCO2 の排出をへらし温暖化をとめようという
AD に対し、①炭素税はむしろCO2 を増やす(Link turn)+②CO2 が増えることは食料増産
につながるのでむしろよい(Impact turn)という議論を提出すると、CO2 が増えるため食料
が増える(Double turn)が残ってしまい、逆にAD が発生してしまう。)

【E】

Effects topicality
プランそのもの自体は論題外であるが、プランの結果や行動によってプランが論題の範囲
内に収まってしまうもの。
(*訳注:陪審制制度を導入すべきという論題のときに、日本がアメリカに編入されるとい
うプラン自体は論題外であるが、日本がアメリカの一部になるとアメリカは陪審員制度が
存在するため、プランの行為の結果は論題の範囲内になってしまう。)

Emory switch
否定側の戦略の一種。1NC ではDA 等のPlan attack を行い、2NC ではAD に対してCase
attack を行っていくというもの。
(*訳注:NDT の強豪校であるEmory 大学が始めたからこの名前がついた。1AR に膨大
なプレッシャーがかかるが、Case attack が有効にしにくい、1NR でDA は立てにくい、
2NR がまとめにくいという欠点もある。)

Enforcement plank
肯定側のプランのうち、プランがどのように施行されるのか説明する部分のこと。通常あ
る政策主体がどのように施行するのか説明する。

Evidence/証拠資料
ディベートで行われる議論をサポートするために、ある程度の社会的信用のある書物から
の引用のこと。

Extension
同じ議論を内容を深めるために、ディベート中に何回かのスピーチにわたって説明するこ
と。

Existential inherency
Inherency の示し方の一種。現状に非常に重大な問題が存在していると証明した後に、現状
の政策ではそれを解決できないと示すことによってInherency を示すやり方のこと。

Extra topicality
一部のプランが論題外のものであるプランから生じたAD のことをさす。

【F】

Fiat/ファイアット、フィアット
ある政策を採択するのが望ましいかどうか判断するためには、その政策が実際に採択され
た状況を仮定して、それを基に考えなければならないということ。そのためディベートに
おいてはある政策が”実際に採択される”かどうかは示す必要が無い。

Field context
Topicality のスタンダードの一種。Topicality で使われる用語は論題について専門的に書か
れた定義から持ってくるべきだというもの。

Flip
Turn を参照。

Flow/フロー
ディベート中にディベーターによってとられるノートのこと。ディベーターはこのノート
を参考にしながらスピーチを行う。フローを取ることはある程度のテクニックを要求され
る。

Flow judge
ディベート中にフローを沢山とる経験豊かなジャッジのこと。

Flow sheet/フローシート
ディベートでなされた議論を記録しておくための用紙のこと。

Funding plank
プランを採択するのに必要とする費用をどのように捻出するか述べるプランの一部のこと。

【G】

Games theory
ディベートを教育的なゲームであるとみなす考え方。ディベートはゲームである以上、両
サイドのチームが均等に勝つチャンスがあるようにルールの公平性が必要であると考える。

Generic arguments
通常否定側によって提出される、ほぼ全ての肯定側のプランに対応する議論のこと。

Generic disadvantage
ほぼ全ての肯定側のプランにつくDA のこと。

Goals case
肯定側のCase の一種。現状で何か目標を達する必要があると示し、肯定側のプランでその
目標が達成されると論ずる。

Grammatical context
論題中の他の用語と文法的に一貫性を保って引用された定義のこと。Topicality で用いられ
る。

Ground
通常、肯定側及び否定側が守らなければならないポジションのことを指す。具体的に
は”Argumentative ground”のように用いられる。ディベートを公平に行うために、両サイ
ドのチームとも守るべきある領域が必要となる。そのためどんな政策も論題の範囲内にな
ってしまうような論題の解釈は、否定側のGround がなくなってしまうため(通常No
negative ground と呼ばれる。)不公平であるので斥けられるべきである。

【H】

Hasty generalization
価値ディベートのみならず政策ディベートでもよく見られていた議論の一つ。肯定側から
示されたような論題の一部の例だけで、論題が正しいかどうか判断を下すことはできない
と論ずるのである。
(*訳注:現在ではこのような議論はほとんどなされていない。)

Hypothesis testing/仮説検証
ディベートをある仮説が正しいかどうか検証するプロセスだとみなす考え方。ディベート
の論題を科学的な仮説だとみなし、ディベートの議論で論題が真かどうか判断するという
もの。関連のある重要な用語として" paradigms, presumption, policy-making, stock
issues”がある。

Hypothetical counter plan
conditional counter plan. を参照。

【I】

Impact/深刻性
ある問題がどうして重要なのか、そしてそれがどうディベートの試合に影響するのか説明
すること。Impact は証明を要する議論であり、証拠資料を抜きに議論すべきでない。

Impact turn
IImpact で扱っている問題は悪いことでなく、むしろ良いことなのだと論じる議論。DA の
項参照。

Independent advantage
他のAD が全てなくなっても、一部のAD が残っていたらプランを採択することを肯定で
きるということ。

Inherency/内因性
通常肯定側のCase に必要とされる。現状である問題が存在し、それが現状の政策では解決
できないと説明する。

Internal link
二つの議論の間にあるつながりのこと。ある議論を構築するための議論と議論の鎖の一部
のことである。

Intrinsic
DA は肯定側の政策の結果として仕方ないものであり、他に防ぐ手段が無いという状態のこ
と。肯定側はしばしば、Case の重要性とくらべるとDA は肯定側の政策にとって必要悪で
あり、仕方が無いことであると論ずる。

【J】

Jurisdiction
論題はディベートを行う者に陣地をあたえるものだ。だから肯定側は論題の領域の範囲で
何かを主張しなければならないということ。

Justification
肯定側は論題の全ての用語を正当化しなければならないと主張する否定側の議論。最近で
はそこまで支持されている考え方ではない。

【L】

Legislative intent
プランがこれから先未来にかけて、望ましいかどうかは主張された議論に基づいてなされ
るということ。

Link
二つの議論の間にある、原因と結果といったつながりのこと。通常否定側はDA と肯定側
のプランの間のリンクを探そうとする。

Link turn
肯定側の政策はDA を引き起こすものでなく、むしろそれを解決するものだと論ずるDA
へのアタックの一種。DA のLink turn の項参照。

【M】

Minor repair
現状で存在する政策を少し改変することによって、肯定側の扱っている問題を解決すると
いう否定側の議論。法律の大きな変更を必要とせず、現状の政策範囲内にあるべきである。
(*訳注:カウンタープランの一種とみなしてよい。)

Mutual exclusivity
カウンタープランの競合性の一種。もし肯定側のプランとカウンタープランが同時に存在
し得ないものであったならば、肯定側のプランとカウンタープランは競合的になる。

【N】

Need
肯定側が解決しようとしたい問題のこと。
(*訳注:Significance と同義語)

Negative block
2NC と1NR の間にあたって、否定側のスピーチが連続して行われること。1AR にプレ
ッシャーを与えるためにそれぞれ異なった議論が行われる。

Net benefits
カウンタープランの競合性の一種。カウンタープランのみを採択する方が、肯定側のプラ
ンとカウンタープランの同時採択よりも望ましいのであれば、カウンタープランと肯定側
のプランは競合的であるというもの。

【P】

Permutation
カウンタープランが肯定側の政策と競合的であるか吟味するための議論。カウンタープラ
ンと肯定側のプランがどのようにして同時採択できるか説明をする。

Philosophical competition
カウンタープランの競合性の一種。吟味されている肯定側のプランとカウンタープランが
異なった考え方をしているため、政策的に両立しないとするもの。

Plan
肯定側から提出される一連の政策のこと。通常:政策主体、行動、範囲、資金、施行など
が必要となる。

Plan attack
肯定側の政策そのものに関係のある議論のこと。(例:PMN, DA, Workability など)

Plan mandates
肯定側のプランで明らかにされる論題を具体化した政策のこと。

Plan-meet-need (PMN)/Plan-meet-Advantage (*訳注:PMA は付け加えました。)
プランがNeed(=inherency)を解決できないと論ずる議論。通常2NC で提出されることが
多い。
(*訳注:当然1NC でも多く提出される。)

Plan-side
プランについての議論が欠かれるフロウシートの部分のこと。

Plan spike
DA 等を回避するためにプランに組み込まれる論題とは関係の無い政策のこと。

Policy-making
ディベートを政策決定のシュミレーションであるとみなす考え方。肯定側と否定側の政策
の各AD,DA がどのくらいあるか評価することで、政策を評価する。

Political disads
DA の項を参照。プランを採択した政治的な結果のために、DA がCase を上回るであろう
と論ずる議論。

Political capital
政治家が政策を採択するに当たって必要とする政治的な資源の量のこと。ディベート中で
は、プランを採択することによって政治的な資源が消費されてしまい、他の重要な問題に
関する政策を採択するのに必要な政治的な資源が犠牲になると論じるのである。

Political focus
政治的指導者たちがある問題に対し集中して取り組むことが出来る能力のこと。ディベー
トでは肯定側のプランを採択することはお金や人手を要するために、他の重要な問題につ
いて取り込むことが出来なくなると論ずる。

Political popularity
政治家の支持率のこと。ディベートではプランが支持されているかどうかについて議論を
する。もしプランがあまり支持されていないものの場合、そのせいで政治家が人気を落と
してしまい、もっと重要なプランを採択できなくなってしまうと論ずる。逆にそのプラン
が人気のあるものであったら、政治家の人気が上がるので、他の重要なプランを簡単に採
択できるようになると論ずる。
(*訳注:いわゆる小泉DA と呼ばれるものがこれにあたる。あまり教育的な議論ではない。)

Preemption or preempt
まだ提出はされていないが、予想される反論に対しあらかじめ手を打っておくこと。

Prep time
各スピーチの途中にある準備時間のこと。

Presumption
この言葉は通常肯定側の政策が望ましいと示されない限り、現状の政策に留まるべきだと
いう前提のことをさす。
(*訳注:Presumption とは肯定側も否定側もある争点に対し議論を行わなかった場合、そ
の争点をどのようにみなすかという取り決めの意味もある。)

Prima faciae/プリマ・ファキエ
ラテン語で初見という意味である。ディベートで初めて提出される議論は論理的に完結し
ていることが求められる。決して完璧であることは求められていないが。

【R】

Reasonability
Topicality のスタンダードの一種。論題を解釈するにあたって、肯定側は極端に広くなく、
一見して合理的であると思われる定義さえ示せばよいとする考え方。

Rebuttal/反駁
ディベートの試合で後半に行われる短いスピーチのこと。立論で提出された議論を内容を
深めてもう一度議論しなおす。

Redundancy
カウンタープランの競合性の一つ。もしカウンタープランが肯定側と等しくAD を解決す
ることができたならば、肯定側はAD が論題に本質的であると示せなかったので、否定側
の勝利になるとみなす考え方。

Refutation/反論
相手側の議論に対し、解答を示したり、批判を加えること。

Reify
詭弁。間違っていることをあたかも正しいことであるように見えるようスピーチをするこ
と。例えば、マイノリティーを助けることは、人種についての考え方を正当化するため、
人種差別を肯定すると主張するかもしれない。「人種に対しては生物学的な証拠が無いので
あるから、特定の人種層の人を助けることは人種について誤った考え方を広めることにな
る。(ここがreify)だから人種主義を肯定する。」のようにいいながら。このような議論のこ
とをさす。

Resolution/論題
ディベートをするために存在するあるトピックのこと。

Retrench
現状の政策を補強してあげること。通常クリティークを議論するにあたって行う。例えば
「(肯定側の)政策の効果は現状に広まっている考え方を強化するものである。そのため、現
存している問題は解決せず、むしろ悪くなる」と論ずるのである。

Reverse voting issue/RVI
あるチームが何かを”voting issue”と論じる時に用いられる。それに対し,もしそれが”voting
issue”にあるのであれば、そう論じること自体が”voting issue”だと対戦チームは説明もで
きる。

Risk analysis
政策を決定するに当たって、問題が起こりうる確率は100%である必要は無く、その問題が
起こりうる確率を吟味することによって政策を判断するべきだという理論。

【S】

Sandbag
自分たちの最高の証拠資料をRebuttal まで隠しておいて、後になってその議論のImpact
として提出すること。

Scenario
AD やDA といった議論の話しの流れのストーリのこと。通常、誰が、何を、いつ、どこで、
今か、そしてなぜ行うのか示すと良い。

Shift
ディベートに対する見解を別のスタンスに変えてあげる議論のこと。

Should-would
肯定側の政策が採択されるべきだと示すにあたって、政策が実際に採択されると示さなく
ても構わないこと。
(*訳注:例を挙げると、郵政民営化は自民党が反対するから実現しないと論じても、依然
郵政民営化をするべきという部分は否定されていない。)

Significance/深刻性
Impact と同義語。通常肯定側のCase で用いられる。なんで現状で深刻な問題が存在する
のか説明する部分のこと。

Solvency/解決性
通常肯定側のCase で用いられる。肯定側の政策が、なぜ現状の問題を解決するか吟味する
部分のこと。

Spread
相手チームが全ての議論に物理的に反論できないように、膨大な量の議論を提出すること。

Squirrel case
論題を肯定するために、論題のあいまいな部分からCase を持ってくること。

Standards/スタンダード
通常はTopicality の議論に用いられる。論題の正しい解釈や評価をするために設定される
基準のこと。論題中の単語や文章の解釈がなぜ優れているかStandard を用いて説明をする。
(*訳注:通常否定側から提出される。)

Status quo/現状
いわゆる現在の状況のこと。(*訳注:正確には肯定側のプランが採択されていない状況の
こと。)

Stock issues
論争になっている政策が望ましいか判断するためにかつて(訳注:1980 年代以前)使われて
いた方法。政策をharm, Inherency, solvency, plan, disadvantages の各項目を満たしてい
るかどうかで望ましいか判断する。

Sub points
議論まとめるために使う。Contention やObservation といった大きい項目から一つ下の議
論をまとめる。

【T】

Threshold/変局点
Brink を参照。

Time frame
AD やDA がいつ、どのくらいの期間で起きるのか説明すること。

Topicality/とピカリティー、論題充当性
肯定側のプランは論題の範囲内に、否定側のカウンタープランは論題の範囲外に無ければ
ならないとする考え方。Topicality の議論は肯定側のプランが論題の範囲内にあるかどうか
チェックするのである。

Turn or turn around or flip/ターンアラウンド、反転
相手の議論をひっくり返すこと。 問題を引き起こしているのは自分たちの政策で無く、
むしろ相手側の政策なんだと論じてやることで、相手側の議論を逆転させてやる。(Turn)。

【U】

Uniqueness/固有性
あるシナリオがある問題の本質的な原因であるということ。もしDA が肯定側の政策を採
択してもしなくても起きてしまうものであるならば、それは“Not Unique”となってしまう。
そのために否定側のDAのImpact は肯定側の政策を採用することのみで起きるのだとと論
じよう。DA のImpact は肯定側の政策が無ければ起きないと論じるのである。

【V】

Value objection
通常Non Policy ディベートで用いられる。肯定側の価値に対し、カウンターとなる価値が
あると論じる議論のこと。自分たちの価値が肯定側の価値に比べて重要であると示さなけ
ればならない。

Voting issue/voter, 投票理由
それ自体のみでディベートの勝敗を決めてしまう議論のことをさす。よくTopicality の議
論で用いられる。

【W】

Whole resolution or (whole res)
一般にNon policy ディベートを行うにあたって、論題が真実であろうかどうか決めるため
に、論題を総論的にディベートするべきだという議論。論題が真実かどうか決定すること
ができるなら、通常否定側はある基準を提案しなければならない。

投稿者 misudo : 18:28 | コメント (1237) | トラックバック